まるにゃん先生からロボット・セラピーの基礎を学ぶことにした凛ちゃん。まずは、ロボット・セラピーはロボットとのふれあいにより癒しを得ることだという凛ちゃんの説明が、半分正解で半分不正解である理由を教えてもらうようです。

1. アニマル・セラピーって何?

まるにゃん先生
はじめに、ロボット・セラピーを語る上で欠かせない、アニマル・セラピーから学んでいこう!
凛ちゃん
確か、ロボット・セラピーはアニマル・セラピーを参考に提案されたんですよね?
まるにゃん先生
そうそう。しっかり勉強してるね!
では凛ちゃん、アニマル・セラピーって何でしょうか?
凛ちゃん
動物とのふれあいにより癒しを得ること、ではないんですよね?
まるにゃん先生
うん、それでは不正解。
では、アニマル・セラピーとは何か、説明していくね。
アニマル・セラピーを理解するポイントは、誰が診断・治療するかだよ。
凛ちゃん
誰が診断・治療するかですね。了解です!
まるにゃん先生
ここで凛ちゃんに質問です。
凛ちゃんは体調が悪くなった時、どうする?
凛ちゃん
風邪薬を飲んで安静にします。それでも治らなかったら病院に行きます。
まるにゃん先生
何故病院に行くの?
凛ちゃん
病院なら、お医者さんがどんな病状か診断して、適切な治療が受けられるからです。
まるにゃん先生
そう。自分で病状を正しく診断して、適切な治療をすることは難しいよね。
だから、病院に行って、お医者さんに診てもらう。
アニマル・セラピーも同じなの。
凛ちゃん
あ!自分なりに動物とふれあっても、適切な癒やしが得られないってことですか⁈
まるにゃん先生
そうなの。凛ちゃん鋭い!
だから、自分なりに動物とふれあうことはセラピー、つまり治療とは言えないの。
凛ちゃん
ありゃ?セラピーは治療っていう意味なんですね。てっきり、癒しという意味だと...。
まるにゃん先生
多分、勘違いしている人は多いと思うよ。
動物介在療法
動物介在療法(アニマル・セラピー)
まるにゃん先生
では、本題。
アニマル・セラピーとは、医療行為の一環として、動物とのふれあいを処方する治療法を指す。動物介在療法とも呼ばれるよ。
凛ちゃん
なるほど。アニマル・セラピーは、お医者さんが診断・治療するものなんですね。
まるにゃん先生
お。しっかりポイントを押さえられてるね。
お医者さんに限らず、看護士さんや臨床心理士さん、作業療法士さんなどが指揮をとることもあるよ。
凛ちゃん
アニマルセラピストさんの役割は何ですか?
まるにゃん先生
一番の役割は、適切な癒しを引き出すための動物のコントロールかな。
日々のしつけや訓練もアニマルセラピストさんが担っているよ。
凛ちゃん
アニマルセラピストさんが動物をコントロールできないなんてこともあるんですか?
まるにゃん先生
もちろんあるよ。生き物だもの。
だから、アニマルセラピストさんと動物の絆が非常に重要なの。
凛ちゃん
ふわ~、そうなんだ!
じゃあじゃあ、自分なりに動物とふれあうことは何と言うんですか?
動物介在活動
動物介在活動
まるにゃん先生
レクリエーションの一部として、動物とふれあい癒しを得ることは、動物介在療法と区別して、動物介在活動と呼ばれるよ。
凛ちゃん
治療ではなくて、自分なりに癒しを得ようとする行為だから、アニマル・セラピーとは分けて考えないといけないということですね!
まるにゃん先生
うんうん。アニマル・セラピーは何なのか、ばっちり理解できたね。

2. アニマル・セラピーにはどんな効果があるの?

まるにゃん先生
次は、アニマル・セラピーにはどんな効果があるか学んでいこう!
凛ちゃん、どんな効果があるか説明できる?
凛ちゃん
心理的・生理的・社会的効果があるってよく耳にするんですけど...。
いまいちどんな効果なのか、分からないです。
まるにゃん先生
上出来上出来!
では、その3つの効果を詳しく説明していくね。
アニマル・セラピーの効果を理解するポイントは、どのように数値化するかだよ。
凛ちゃん
どのように数値化するかですね。了解です!
まるにゃん先生
ここで凛ちゃんに問題です。
新しい治療方法を広める上で重要なことは何でしょうか?
凛ちゃん
治療効果を科学的に明らかにすることじゃないでしょうか?
まるにゃん先生
大正解‼それは、アニマル・セラピーも同じでね。
動物とのふれあいに高い治療効果が認められたことを契機に、医療に応用されたの。
凛ちゃん
いつ頃、高い治療効果が確認されたんですか?
まるにゃん先生
1960年代頃に欧米諸国で盛んに行われた臨床研究により確認されたの。
治療効果を確認する方法は大きく分けて3つ。
アニマル・セラピーの心理的効果
アニマル・セラピーの心理的効果
まるにゃん先生
1つ目は、ユーザさんへの聞き込み
動物とのふれあいにより心境がどのように変化したか、アンケートをとるの。
凛ちゃん
「リラックスできましたか?」とかでしょうか?
まるにゃん先生
うん。ただし、その心境になった度合を数字で回答してもらうの。
全くリラックスできなかったら1、とてもリラックスできたら5みたいに。
このような方法で確認された効果が、心理的効果なの。
凛ちゃん
あ、ユーザさんに心情の変化を数値化してもらうから、心理的効果なんですね‼
まるにゃん先生
そういうこと。
だから、心理的効果は聞き込みから分かった心情の変化と言えるよ。
凛ちゃん
確かに、やる気が出るとか、自信が持てるとか...。
気持ちが上向きになったことを表す効果がたくさん並んでいますね。
アニマル・セラピーの生理的効果
アニマル・セラピーの生理的効果
まるにゃん先生
2つ目は、ユーザさんの状態計測
動物とのふれあいにより身体の状態がどのように変化したか、計測するの。
凛ちゃん
計測というと、やっぱり、脈波や脳波を計測するんですか?
まるにゃん先生
他にも、血圧測定や血液検査...。病状の検査と基本的には同じだね。
このような方法で確認された効果が、生理的効果なの。
凛ちゃん
なるほど、生体計測により身体の変化を数値化するから、生理的効果なんですね。
まるにゃん先生
そういうこと。
だから、生理的効果は生体計測から分かった身体の変化と言えるよ。
凛ちゃん
確かに、病状の快復とか、血圧やコレステロール値の低下とか...。
体調が上向きになったことを表す効果がたくさん並んでいますね。
まるにゃん先生
①リラックスすることと②α波が増加することは近い効果だけど、①は心情の変化だから心理的効果、②は身体の変化だから生理的効果に分類されているよ。
アニマル・セラピーの社会的効果
アニマル・セラピーの社会的効果
まるにゃん先生
3つ目は、ユーザさんの周囲の人への聞き込み
動物とのふれあいにより人間関係がどのように変化したか、アンケートをとるの。
凛ちゃん
人間関係の変化ですか...。
「会話が増えましたか?」とかでしょうか?
まるにゃん先生
うん。そんな感じで、人間関係が改善された度合を数字で回答してもらうの。
少ししか会話が増えていないなら1、とても会話が増えたら5みたいに。
このような方法で確認された効果が、社会的効果なの。
凛ちゃん
あ、社会性に通じる人間関係の変化を数値化するから、社会的効果ってことですね⁈
まるにゃん先生
周囲の人に聞き込むのではなく、第3者が観察する方法もあるけどね。
いずれにしても、社会的効果は観察から分かる人間関係の変化と言えるよ。
凛ちゃん
確かに、ふれあいがスムーズになるとか、集団行動がとれるようになるとか...。
人間関係が改善したことを表す効果がたくさん並んでいますね。
まるにゃん先生
そうだね。
...どうかな?アニマル・セラピーにはどんな効果があるか、理解できた?
凛ちゃん
やっと、アニマル・セラピーの効果が3つに分類されている理由が分かりました‼
効果を数値化する方法の違いだったんですね。
まるにゃん先生
うんうん。ポイントもばっちり押さえられているね‼

3. ロボット・セラピーが提案された理由は?

まるにゃん先生
次は、ロボット・セラピーが提案された理由を学んでいくよ。
ロボット・セラピー提案の背景には、アニマル・セラピーが抱える課題があるの。
凛ちゃん、どんな課題だと思う?
凛ちゃん
生きた動物とふれあう以上、避けられない課題はたくさんありそうです。
まるにゃん先生
では、質問を変えようか。
アニマル・セラピーを処方されるユーザさんに生じるリスクとその解決法は?
凛ちゃん
動物に咬みつかれたり引っ掻かれたりして怪我をするリスクがあります。
う~ん...。動物を訓練させて、リスクを最小限に抑えるしかなさそうです。
まるにゃん先生
動物アレルギーや感染症などの病気になるリスクもあるね。
これも、動物を清潔に保って、リスクを最小限に抑えるしかない。
凛ちゃん
ペットロスなど精神的苦痛を負うリスクもありそうです。
ユーザさんの心に寄り添って、リスクを最小限に抑えるしかなさそうです。
まるにゃん先生
どのリスクも解決は難しいでしょう?
だから、リスクを理解してもらった上で導入するしかないんだけど...。
その理解を阻んでいるのが、日本人独特の動物観なんだよね。
凛ちゃん
そんなのがあるんですか⁈
まるにゃん先生
日本には、動物は汚くて危険な存在だと認識している人が多いんだ。
だから、理解が得られなくて、アニマル・セラピーの導入できないの。
凛ちゃん
そ、そんなぁ...。悲しすぎます。
まるにゃん先生
そうだね。日本はペット後進国だと、改めて認識させられるね。
欧米にこんな動物観はないから、アニマル・セラピーは普及したけど...。
凛ちゃん
アニマル・セラピーを提供する動物にだって、当然、リスクはありますよね。
私だったら、訓練とか絶対無理ですもん...。
まるにゃん先生
凛ちゃん、鋭い‼
動物には、訓練や不特定多数の人との接触による精神的苦痛を負うリスクがある。
動物を大切にしている欧米の人が、そんな状態を放っておくわけないよね。
凛ちゃん
確か、欧米ではぬいぐるみ・セラピーも盛んですよね?
そういう背景があったんだ...。
まるにゃん先生
一方、日本は、AIBOの登場で、ようやく、アニマル・セラピーが注目される。
動物の代わりにロボットとふれあえばよいのではないかと考えたんだね。
凛ちゃん
ロボットなら、訓練をしなくても、ユーザさんに怪我を負わせる心配はない。
工夫次第で清潔に保てるから、ユーザさんが病気になる心配もない!
死という概念はないから、ユーザさんに精神的苦痛を負わせる心配もない‼
まるにゃん先生
そう!ロボットであれば、ユーザさんのリスクを限りなくゼロにできる。
アニマル・セラピーの普及を妨げていた課題を解決する糸口になったんだよ。
凛ちゃん
お世話も要らないから、アニマルセラピストさんの負担も減らせそう。
良いこと尽くめですね。
まるにゃん先生
臨床研究の結果、動物とのふれあいと同様に、心理的・生理的・社会的効果があることも確認されて、晴れて、ロボット・セラピーは提案されたの。
凛ちゃん
納得の経緯です‼
まるにゃん先生
こうした経緯から、ロボット・セラピーはアニマル・セラピーを補完・代替する療法であることを補足しておくよ。
凛ちゃん
補完ということは、あくまで主役はアニマル・セラピーということですか?
まるにゃん先生
現状はね。
臨床研究の中で独自の良さも分かってきているし、主役になれる日は近いと思うよ。

4. ロボット・セラピーって何?

まるにゃん先生
では、本日のメインテーマ、ロボット・セラピーとは何か学んでいこう!
凛ちゃんは、ロボットとのふれあいにより癒しを得ることって説明したけど...。
凛ちゃん
先生。私、分かっちゃったかもです。
まるにゃん先生
ふふ。では、今日1日の学びを受けて、再度凛ちゃんに質問です。
ロボット・セラピーとは何でしょうか?
ロボット介在療法(ロボット・セラピー)
凛ちゃん
ロボット・セラピーとは、医療行為の一環として、ロボットとのふれあいを処方する治療法のことです。
まるにゃん先生
大正解‼ロボット介在療法とも呼ばれることを補足しておくよ。
では、自分なりにロボットとふれあうことは何と言うでしょうか?
ロボット介在活動
ロボット介在活動
凛ちゃん
レクリエーションの一部として、ロボットとふれあい癒しを得ることは、ロボット・セラピーと区別して、ロボット介在活動と呼びます。
まるにゃん先生
大正解‼ロボット・セラピーは何なのか、ばっちり理解できたね。
凛ちゃん
あれ?でも、半分正解で半分不正解の理由が分かりません。
私の最初の説明だと、ロボット介在活動の説明になっちゃってるのに...。
まるにゃん先生
あ、それは、ロボット・セラピーの将来を踏まえた上での私見で...。
凛ちゃん
是非、教えてください‼
まるにゃん先生
アニマル・セラピーは、ユーザさんの病状に適した動物とのふれあいを処方するため、お医者さんやアニマルセラピストさんの同伴が必要不可欠だよね?
凛ちゃん
そうですね。だからこそ、動物介在活動とは区別されているんですよね。
まるにゃん先生
逆に、ユーザさんの病状に適したふれあいを動物自身が処方できるのであれば、お医者さんやアニマルセラピストさんの同伴は不要だと思わない?
凛ちゃん
あ‼セラピーロボットであれば、それが可能になるかもしれないと。
まるにゃん先生
そういうこと。センサ技術は日々進歩しているからね。
セラピーロボットがお医者さんも兼ねる、そんな時代がくるかもしれないでしょ?
そうなれば、ロボット介在療法とロボット介在活動の差はなくなるかなって。
凛ちゃん
なるほど~。そんな時代がくるよう、私も頑張りたいです‼
まるにゃん先生
うん。是非、次世代のロボット・セラピー界を担う研究者になってね‼
それでは、今日のおさらいだよ。

本日のおさらい

  • ロボット・セラピーは、アニマル・セラピーの課題を踏まえ、補完・代替療法として提案された
  • ロボット・セラピーは、医療行為の一環として、ロボットとのふれあいを処方する治療法である
  • ロボット・セラピーには、アニマル・セラピー同様、心理的・生理的・社会的効果がある
  • 現状、自分なりにロボットとふれあうロボット介在活動とは区別される
まるにゃん先生
で、本日の課題だけど。
凛ちゃん
えぇっ⁈課題⁈聞いてないです。
まるにゃん先生
大丈夫。そんなに難しくないから。
現在、市販されているセラピーロボットを調査してまとめてみて。
凛ちゃん
あ、それ位なら任せてください‼
サイズ感とか、仕様とか、調べたことありますから。
まるにゃん先生
お願いね。
次回は、その調査結果を基に、どんなセラピーロボットがいるか、学んでいくよ。

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